2016-01-01から1年間の記事一覧

小屋の旅 026 (おしゃべりな小屋)

26.おしゃべりな小屋 長野県の上諏訪温泉にあったストリップ劇場「諏訪フランス座」の建物です。何年か前の写真ですが、当時は肝心のストリップ興行はすでに廃業、「ヌード劇場」という大きな看板がそのまま残されたビルの一画には、飲食店が一軒だけ営業を…

小屋の旅 025 (海の小屋)

25.海の小屋 能登半島の海は、日本海の大海原に面した気性の激しい「外浦」(門前、輪島など)と、波おだやかな富山湾側の「内浦」(七尾、穴水など)とに大別され、ふたつの相反する顔をもっています。実際に門前や輪島あたりの海では、身の危険を感じるような…

小屋の旅 024 (悟りと小屋)

24.悟りと小屋 長野県の松川渓谷は紅葉がすばらしいと聞いていましたが、実際にいってみると、なるほど鮮やかというか、ひと味ちがったところがあります。実家が志賀高原だというかたによると、紅葉は志賀より松川渓谷のほうが美しいような気がするそうで、…

小屋の旅 023 (平和と小屋)

23.平和と小屋 能登半島は小さな漁村の多いところですが、そんな海辺の漁師町ではなく、半島でも内陸の谷間にひっそりとたたずむ小屋で、里山をバックに、小屋の前には自家用だと思われる畑もつくられています。「この畑に小さな物置でもあったら」といった…

小屋の旅 022(歌舞伎する小屋)

22.歌舞伎する小屋 富山県南砺市にある小屋ですが、ここは平成の合併までは福光町だったところで、昔からドジョウの蒲焼きとプロ野球選手のバットづくりで知られています。県内でも内陸部に位置して水田が盛んなこともあってか、小屋をいろいろ探してみまし…

小屋の旅 021(白い小屋)

21.白い小屋 富山県氷見市の角間という集落を抜けると突然、すり鉢状に広がったダイナミックな風景が目に飛び込んできます。かなり急な傾斜地に棚田がいまも相当数が健在で、そのなかにひとびとの営みがあって、小屋もいくつか元気な姿を見せています。住民…

小屋の旅 020 (小屋と「森の生活」)

20.小屋と「森の生活」 貸し農園”とも呼ばれる「市民農園」は、“野菜づくりや花づくりなどをしたくても、市街地ではそのようなスペースがないためにできないことから、農地を借りて楽しめるようにした制度です。この市民農園に、宿泊可能な小屋を備えた「ク…

小屋の旅 019 (リゾートと小屋)

19.リゾートと小屋 山にはまだ雪が残る信州は白馬村の小屋です。いまや国際的な山岳リゾート地になってきた白馬村から望む北アルプスの雄大さ、美しさは、まさに圧倒されるというしかないような素晴らしさです。小屋もその白馬三山を中心にした白馬連峰を借…

小屋の旅 018 (棚田と小屋)

18.棚田と小屋 飯山から妙高に入ったところあたりで撮った小屋の写真です。昔ながらの棚田がまだかたちをとどめながら維持されているところで、5月の中旬ごろのものです。山は新緑の淡い緑に包まれ、そこに杉林が入り組んだ典型的な里山景観といったところで…

小屋の旅 017 (鎮守の森と小屋)

17.鎮守の森と小屋 桜の木とビニールハウスのあいだの砂利道は、村の神社に通じる参道で、ハウスの前に“00村社”と刻まれた石柱も立っています。その社は、写真右方向へ少し行ったところにあり、参道脇にはスギの木も何本か見えますが、風格のある古木、巨樹…

小屋の旅 016 (ひとりユートピアの小屋)

16.ひとりユートピアの小屋 写真左下に見える小さな小屋は、急な坂道を50mほど登ったところに建っているもので、すぐ上には田んぼが広がっています。ほ場整備のされていない昔ながらの懐かしい棚田です。小屋のほうは間口が1間余り、持ち主がみずから手作り…

小屋の旅 015 (山里の小屋)

14.山里の小屋 写真の小屋があるところは、能登半島の付け根に位置する氷見市でも山奥の中山間地で、季節は3月から4月ごろにかけてのごくありふれた風景です。近年の暖冬の影響か、道の両脇にはすでに雑草が顔を出しています。長い冬を経て春を迎えると真っ…

小屋の旅 014 (植物園の小屋)

14.植物園の小屋 スイセンの背後に見えるハウスは、氷見市海浜植物園にある小屋で、展示植物を育てる育苗施設として使われているものです。白砂青松の松田江浜に建設された同園は、ポストモダンの建築家・長谷川悦子氏の設計による迫力ある造形が目玉で、平…

小屋の旅 013 (妖精の小屋)

13.妖精の小屋 どんよりと雲がたちこめた日ですが、鬱積した空気が冷たく無言でおおいかぶさって、ちょっとイライラしてくる空模様です。この重苦しい気候風土はいかにも日本海側の専売特許といったところで、猫などもこんな日はけっして空を見上げたりはせ…

小屋の旅 012 (残雪の小屋)

12.残雪の小屋 信州の大町にある仁科三湖のひとつ、青木湖のほとりに建つ小屋です。3月下旬に訪れたときのもので、すでにスキーシーズンも終盤で、かといって春の桜にはまだ早いといった気候的にも行楽的にも中途半端な季節で、どこを探してもあまりパッとし…

小屋の旅 011 (ネコ笑う小屋)

11.ネコ笑う小屋 狭い谷間を切り開いた田んぼを、その後畑に転用したところにぽつんと一棟、小さな小屋が建っている孤高の風景です。周囲の雑木林が田畑まで迫って日照時間は限られ、耕作地としてはあまり優れた環境ではありません。荒廃した山をきれいに整…

小屋の旅 010 (どじょうすくいの小屋)

10.どじょうすくいの小屋 この1.5m四方ほどの小さな小屋は、垂木と貫の建築材で骨組みを造り、正面はポリカーボネートの透明な波板、屋根や側壁などは白いテント用シートでおおっています。建築基準法や建築士免許といった制約から完全にフリーな小屋は、「…

小屋の旅 009 (海越しの立山と小屋)

9.海越しの立山と小屋 3000m級の山々が連なる立山連峰を借景に、すぐうしろに富山湾が迫る「海越しの立山連峰と小屋」です。その立山には古くから信仰の山としての雄山(標高3003m)があり、そこの「室堂小屋」は日本でもっとも古い山小屋として国の重要文化財…

小屋の旅 008 (稲木小屋)

8.稲木小屋 遠出をしようとクルマを走らせると、1日のうちに1度や2度は必ず出くわすのが道路工事の現場。その工事現場にも仮設の小屋は付きものですが、ほかにもやたらと目に入ってくるのが細長い小屋です。これは地域を問わず、いろんなところにあります。…

小屋の旅 007(黒い小屋)

7.黒い小屋 普段はまったく目立たない小屋であっても、雪が降ると見ちがえるほどの存在感を見せることがあります。そもそも小屋そのものはスケールが小さく、その性格から自己主張とは無縁の建物で、また、ことさらかっこよく見せるひともいません。それが小…

小屋の旅 006 (アド小屋)

6.アド小屋 写真は漁師が使っていた「アド小屋」です。復元されたもので、風呂敷のような四角い網を水中に沈め、魚がその網の上にやってきたところを見計らって引き上げる仕掛けです。漁師は小屋のなかで網を上げ下げし、漁はおもに夜間に行われていたようで…

小屋の旅 005 (移ろう小屋)

5.移ろう小屋 小諸市だったか東御市だったか忘れましたが、とにかく長野県で見つけた小屋です。なだらかな丘陵地にご当地名産のソバが植えられ、白い花がいまが盛りとばかりに咲き誇っています、という信州らしい名調子の風景です。9月下旬の旅で出会ったも…

小屋の旅 004 (雑草の玉手箱)

4.雑草の玉手箱 石川県七尾市の田んぼのアゼに建つ小屋です。「建っている」というよりアゼに「置いてある」といった感じでしょうか。付近に畑らしいものはなく、稲作ではこんなに小さな小屋は役に立たないはずなので、なんに使っているのでしょうか、ちょっ…

小屋の旅 003 (留守原の小屋)

3.留守原の小屋 この小屋に出会ったのはほんとうに偶然です。新潟県の松之山から津南へ抜ける道を走っていて、たまたま見つけたものです。小屋も背景の棚田も、あまりにも絵になる景色なので、「なにか、とって付けた人工的な風景だな」と思ったものです。テ…