小屋の旅 046 (自販機と小屋)

46.自販機と小屋 鉄道の駅構内や病院、劇場などでよく見かける「売店」。これも小屋の一種で、なかでもキヨスクはその代表格といえる存在です。写真は群馬県「道の駅八ッ場ふるさと館」に併設されたファーストフード店ですが、建設の是非でもめたダムはいま…

小屋の旅 045(能登のバス停)

45.能登のバス停 能登半島の海沿いのバス停ですが、これも小屋のひとつだろうと思います。築後まだ日が浅く、規模は間口2m、奥行き1.5mほどで、室内に4脚のイスが肩を寄せ合って並ぶ小さな建物です。柱などのフレーム材は、なぜか非常に目立つダークグレー…

小屋の旅 044(奥飛騨の市場)

44.奥飛騨の市場 「平湯 農家直販市場 かかし庵」の看板を掲げている特産品売場の小屋ですが、奥飛騨温泉郷の平湯温泉にあります。ここはかつての上宝村で、現在は高山市と合併してその一部になっています。奥飛騨温泉郷はほかにも福地、新穂高、新平湯の温…

小屋の旅 043 (浜茶屋)

43.浜茶屋 海水浴が大衆のレジャーになったのは昭和も戦後のことだと思います。当時は子供がやたら多い時代でしたが、あまり娯楽もなく、夏の遊びといえば海水浴ぐらいでした。その海水浴場の仮設の休憩所を「海の家」、あるいは「浜茶屋」と呼んでいますが…

小屋の旅 042(旅する小屋)

42.旅する小屋 キャンプ場にトレーラーだけを置き、牽引してきたクルマで周辺の観光にでも出かけているのでしょうか。キャンピングカーでも、旅先で自由に動き回れるのが、このトラベルトレーラーのいいところです。まさに「動く住まい」そのもので、能登の…

小屋の旅 041(晩秋の小屋)

晩秋の小屋 40回で途絶えて久しい「小屋の旅」。あれから数年が経過し、この間、世の中の小屋への関心はむしろ高まっているかのようにもみえます。ただ、その人気の小屋は、倉庫や物置、作業小屋といった一般によく目にするものではなく、最小の居住スペース…

小屋の旅 040(霧と小屋)

40.霧と小屋 霧のなかに家具のソファや雑草、青い屋根の小屋、そのうしろに軽トラに野焼きの白い煙り、シートをかぶったトラクター、山裾には大小ふたつの小屋に満開の桜がぼんやりと浮かんでいます。さらに墓石もあっちこっちに点在するなど、とりとめのな…

小屋の旅 039(小屋の情景)

39.小屋の情景 ホームセンターなどで売られている波トタンを使って建てた小屋は、いずれ、遅かれ早かれ経年劣化によってサビが浮き、やがて茶褐色におおわれてきます。いわば自然の成りゆきで、なんら変わらないものよりは移ろいがあって、むしろ親しみがも…

小屋の旅 038(風と小屋)

38.風と小屋 氷見市と高岡市にまたがる海岸沿いは、砂地の畑が広がっていて、昔から盛んに野菜や果物がつくられています。ということは農業用の小屋の一大集積地になっていてもおかしくありません。このへんは、かつて海水浴でお世話になったところなので、…

小屋の旅 037(小屋の冒険)

37.小屋の冒険 金沢方面からの帰途、いつもとちがうルートを通ろうと、津幡からかほく市の山奥に入り、羽咋市に抜けて戻ってきたときに目にした小屋です。奥能登はなんとなく秘境的なムードもあってか、いってみたい気にもなりますが、能登半島でも内灘町か…

小屋の旅 036(休息と小屋)

36.休息と小屋 氷見市の山間部にある小屋ですが、すでに使用されてなく、棚田を飾るモニュメントになっています。石川県は能登との県境の山奥に一カ所だけぽつんと残っている棚田で、よくこんな森のなかに水田を造ろうと思い立ったものだと、感心させられる…

小屋の旅 035(秘境の小屋)

35.秘境の小屋 新潟県と長野県にまたがる豪雪地帯の秘境、秋山郷で見かけた小屋で、“納屋”とも“蔵”とも呼ばれる、いわゆる物置です。窓はあまり広くなく、また、数もそれほど多くありません。窓の少なさはコスト削減の意図もあるでしょうが、モノを保管する…

小屋の旅 034(緑と小屋)

34.緑と小屋 魚津に用事があって、片貝川の上流へ行ったときに見つけた小屋です。朝の7時すぎで、天気はそれほどよくはなかったように思います。露を多く含んだ重い空気、夏の盛りなのにひんやりとした冷気が残る時間帯です。手前の水田は、稲穂の出始めのこ…

小屋の旅 033(金沢の小屋)

33.金沢の小屋 金沢の市街地から少し離れた森本駅の近辺で見かけた小屋です。近くに能楽堂を備えた老舗の温泉旅館があったりしますが、金沢は加賀藩時代から能や謡曲が盛んだったそうで、それが今日、一般市民にまで広く受け継がれているとのことです。この…

小屋の旅 032 (しゃれた小屋)

32.しゃれた小屋 この小屋は、姿といい、色合いといい、見るからにおだやかな表情をしています。どこかゆったりと遠くを見ているかのようでもあり、“緊張と緩和”ではありませんが、副交感神経をここちよく刺激する癒し系タイプの小屋です。風雪が育んだとい…

小屋の旅 031 (村と小屋)

31.村と小屋 1992年に廃校になった氷見市の床鍋小学校です。校舎の一部だけを残し、学校跡地といっしょに公園にでもなっているのでしょうか。床鍋集落は、氷見市でも石川県境のかなり山奥にあり、小学校だった場所は、そんな谷間にひっそりと建っていた学校…

小屋の旅 030 (のんきな舟小屋)

30.のんきな舟小屋 氷見市の海岸沿いに残る舟小屋です。人工物というより、自然発生的な雰囲気をもった小さな砂浜に建つ小屋で、海辺の風景に心地よくとけこんでいます。氷見から能登半島にかけては、かつてはこのような、きわめてのどかな光景がいたるとこ…

小屋の旅 029 (命をつなぐ小屋)

29.命をつなぐ小屋 大切なもの保管しておく「蔵」も、スケール的にみると小さな建物なので、小屋の一種だろうと思います。ただ、蔵による町おこしといった話はよく耳にしますが、小屋によるそのような試みはまったく聞いたことがありません。おなじ小屋でも…

小屋の旅 028 (六甲おろしと小屋)

28.六甲おろしと小屋 この小屋との出会いには忘れられないものがあります。日頃、時間があるときなど、たまに林道をクルマで走ったりすると、よく、この道はどこまで続くのか、ときどき不安になってくることくが多々で、そろそろ引き返そうか、いやいやもう…

小屋の旅 027 (もつれた小屋)

27.もつれた小屋 長野市郊外のリンゴ園で見かけた小屋です。あきらかに自己流による建てかたで、屋根などは普通、ホームセンターにある波トタンを使ったりしますが、この建て主はそのような平凡なやり方をあえて避け、合板で葺き、その上に防水ビニールシー…

小屋の旅 026 (おしゃべりな小屋)

26.おしゃべりな小屋 長野県の上諏訪温泉にあったストリップ劇場「諏訪フランス座」の建物です。何年か前の写真ですが、当時は肝心のストリップ興行はすでに廃業、「ヌード劇場」という大きな看板がそのまま残されたビルの一画には、飲食店が一軒だけ営業を…

小屋の旅 025 (海の小屋)

25.海の小屋 能登半島の海は、日本海の大海原に面した気性の激しい「外浦」(門前、輪島など)と、波おだやかな富山湾側の「内浦」(七尾、穴水など)とに大別され、ふたつの相反する顔をもっています。実際に門前や輪島あたりの海では、身の危険を感じるような…

小屋の旅 024 (悟りと小屋)

24.悟りと小屋 長野県の松川渓谷は紅葉がすばらしいと聞いていましたが、実際にいってみると、なるほど鮮やかというか、ひと味ちがったところがあります。実家が志賀高原だというかたによると、紅葉は志賀より松川渓谷のほうが美しいような気がするそうで、…

小屋の旅 023 (平和と小屋)

23.平和と小屋 能登半島は小さな漁村の多いところですが、そんな海辺の漁師町ではなく、半島でも内陸の谷間にひっそりとたたずむ小屋で、里山をバックに、小屋の前には自家用だと思われる畑もつくられています。「この畑に小さな物置でもあったら」といった…

小屋の旅 022(歌舞伎する小屋)

22.歌舞伎する小屋 富山県南砺市にある小屋ですが、ここは平成の合併までは福光町だったところで、昔からドジョウの蒲焼きとプロ野球選手のバットづくりで知られています。県内でも内陸部に位置して水田が盛んなこともあってか、小屋をいろいろ探してみまし…

小屋の旅 021(白い小屋)

21.白い小屋 富山県氷見市の角間という集落を抜けると突然、すり鉢状に広がったダイナミックな風景が目に飛び込んできます。かなり急な傾斜地に棚田がいまも相当数が健在で、そのなかにひとびとの営みがあって、小屋もいくつか元気な姿を見せています。住民…

小屋の旅 020 (小屋と「森の生活」)

20.小屋と「森の生活」 貸し農園”とも呼ばれる「市民農園」は、“野菜づくりや花づくりなどをしたくても、市街地ではそのようなスペースがないためにできないことから、農地を借りて楽しめるようにした制度です。この市民農園に、宿泊可能な小屋を備えた「ク…

小屋の旅 019 (リゾートと小屋)

19.リゾートと小屋 山にはまだ雪が残る信州は白馬村の小屋です。いまや国際的な山岳リゾート地になってきた白馬村から望む北アルプスの雄大さ、美しさは、まさに圧倒されるというしかないような素晴らしさです。小屋もその白馬三山を中心にした白馬連峰を借…

小屋の旅 018 (棚田と小屋)

18.棚田と小屋 飯山から妙高に入ったところあたりで撮った小屋の写真です。昔ながらの棚田がまだかたちをとどめながら維持されているところで、5月の中旬ごろのものです。山は新緑の淡い緑に包まれ、そこに杉林が入り組んだ典型的な里山景観といったところで…

小屋の旅 017 (鎮守の森と小屋)

17.鎮守の森と小屋 桜の木とビニールハウスのあいだの砂利道は、村の神社に通じる参道で、ハウスの前に“00村社”と刻まれた石柱も立っています。その社は、写真右方向へ少し行ったところにあり、参道脇にはスギの木も何本か見えますが、風格のある古木、巨樹…